社会福祉士は国家資格です。
1987(昭和62)年に「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律の制定により誕生した社会福祉の専門家を指します。

社会福祉士になるためには国家資格に合格する必要があり、もしも社会福祉士ではない人が「私は社会福祉士です」と名乗ってしまうと、法律により罰せられます。

「社会福祉士及び介護福祉士法」において社会福祉士は、以下のように定義されています。

◆第2条(抜粋)◆
この法律において社会福祉士とは、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者、または医師その他の保険医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を業とする者をいう。


また、社会福祉士は、国際的には日本におけるソーシャルワーカーとして位置付けられます。
(Social Worker: ソーシャルワーク専門職)

ソーシャルワーカーである社会福祉士は、人を取り巻く様々な人間関係、制度、サービスを『環境』として捉え、その『環境』と『人』との接点に介入して支援を行います。
人権と社会正義の原理に則り、人と『環境』の接点に介入する視点に専門職としての独自性があります。

世界のソーシャルワーカーで組織される国際機関「国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)」による「ソーシャルワークの定義」は、以下のように記されています。

◆ソーシャルワークの定義◆
ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進をめざして、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人々のエンパワーメントと解放を促していく。

ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人々がその環境と相互に影響し合う接点に介入する。

人権と社会正義の原理はソーシャルワークの拠り所とする基盤である。

要約すると

ソーシャルワーク専門職は、
 人々の福祉の増進を目指して社会の変革を進め、
 人間関係における問題解決を図り、
 人々が自ら自立した生活を営むことができるよう支援していく専門職

ということになります。


また、日本社会福祉士会が定める「社会福祉士の倫理綱領」では、社会福祉士が専門職として求められる価値・原則について、以下のように規定しています。

◆社会福祉士の倫理綱領: 『価値と原則』◆
1.【人間の尊厳】
社会福祉士は、すべての人間を、出自、人種、性別、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する。

2.【社会正義】
差別、貧困、抑圧、排除、暴力、環境破壊などのない、自由、平等、共生に基づく社会正義の実現をめざす。

3.【貢献】
社会福祉士は、人間の尊厳の尊重と社会正義の実現に貢献する。

4.【誠実】
社会福祉士は、本倫理綱領に対して常に誠実である。

5.【専門的力量】
社会福祉士は、専門的力量を発揮し、その専門性を高める。

自殺、虐待、いじめ、貧困、低所得、障がいなど、あらゆる生活課題を抱えた人々を支援することや、社会的に弱い立場にあることや社会的に少数であること(在住外国人、LGBTなどの性的指向、人種、少数民族など)による社会からの差別や抑圧に対して、その人々の人権を守り、支援すること、これも社会福祉士に求められる重要な役割です。

社会福祉士は、国が定めた国家資格であり、「国民福祉の増進」のために活動します。
そのため、法律で、社会福祉士の「信用をおとしめてはいけない」、援助を必要とする人に対しては「秘密を守る」「誠実であること」などの義務が課されます。

これに加えて、国家資格を取得した後も、福祉に関する相談援助の専門家として、その知識や技能を向上させることが求められています。

社会福祉士で組織する専門職団体「日本社会福祉士会」は、倫理綱領を定め、構成する会員に対して厳しく倫理・行動規範を求めています。

このように社会福祉士は、法律や専門職団体の倫理・行動規範に基づいて、その資質が保証されています。


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